福井赤十字病院様

作業効率改善・作業時間の大幅な短縮により、経営の意思決定の迅速化を実現



原価計算導入の経緯

 福井赤十字病院では、平成6年から部門別原価計算を行っており、経営判断の材料として、院長から各部門責任者へのヒアリングの際に活用しています。
 今まで行っていた作業内容は、医事課からの診療報酬データや経理係からのコストデータを各診療科・部門に按分する作業でしたが、市販ソフトExcelを使った手作業での集計作業になるため、大変時間を要しました。 このため、半期に1回作業を行うのが精一杯であり、しかも一人の専任者が約1ヶ月かけて資料を作成していました。
 原価計算は、経営判断に関わる資料であるため、古いデータではあまり意味がなく、直近のデータが必要となります。そのため、作業時間の短縮が求められるようになってきており、病院内でもシステム化を検討するようになりました。


原価計算システム導入のポイント

原価計算システムの導入にあたって、福井赤十字病院が目指したのは、以下の二点です。

①現在使用しているベンダーの病院情報システムを使った原価計算システムのパッケージでの全国の病院での実績がないことから、まず小回りの利いた原価計算システムを使用することで院内に実績を作っていきたいということでした。


②毎月の作業を行うにあたって多くの人件費や時間をかけすぎていては意味がありません。


 原価計算はコストを管理するために行うわけですから、上記二点が重要な点でした。 特に①の電子カルテやオーダリングシステムと連携する原価計算システムは、それぞれのシステムとの部門連携には知識と高額な費用が必要となります。 エニアスのCost Managerは他のシステムとの連携はなく、システム単体で動かす事ができるので、各システムの専門的な知識や導入費用も少なく済むのが良かった点でした。 また、収集するデータの種類も経理データの取り込みとE・Fファイルの取り込みだけという点で簡単でした。


導入から運用までの準備

 福井赤十字病院では、以前から原価計算を行っておりその知識を持っていたため、まずは今まで手作業で行っていた計算結果と同じ結果が出せるようにしました。
運用までの準備は、病院基本情報と配賦基準の設定が主な内容になります。
診療科、部門、医師数、看護師数、面積、患者数など病院の基本情報を設定し、次に配賦基準の設定を行いますが、配賦基準の設定が原価計算には一番大変な所になります。Cost Managerには初期で70パターンの配賦基準が設定されているため、その中から選ぶだけだったので、簡単に配賦基準の設定を行うことができました。
あとは、医事課からE/Fファイル、事務管理部門から損益計算書等の月次データーを用意してもらい準備は完了となりました。


導入して実際の運用

 今まで1ヶ月以上かけてやってきた原価計算ですが、最初の設定が終われば、毎月、E/Fファイルの取り込みと月次データーの入力だけで計算ができるので、30分足らずの計算時間で結果を得ることができました。
しかし、計算結果が出てもそれが、実際の診療行為に基づいていなければ、医師の理解も得られませんし、計算自体があまり意味のない事になってしまいます。
 そこで、例えば医師のタイムスタディーを行いより診療内容に合わせた配賦基準を使用することで、実際の病院経営に見合った配賦を行い経営判断の資料とすることを目指しました。
 さらに、医師と診療科に合った配賦基準を相談したり、医事課の方から、E/Fファイルで使える項目を調べてもらい、配賦基準の作成を行いました。 診療報酬の点数比率や延べ患者数などの比率は一般的によく使用されますが、透析部門や検査部門においては、より実態に見合った配賦基準を作成して配賦基準として使用することにしました。 Cost Managerでは、病院によって独自の配賦基準を作成できるのも良い点でした。E/Fファイルに載っていない診療科(歯科・産科など)などもエクセルなどのデータを加工して取り込める機能も病院の独自性を出せるので便利な機能だと思います。


導入の効果

 毎月の計算作業をコストをかけずに行うことが実現されました。また、経営判断に関わる資料なので、時間があまりかからずに計算できる点が非常に大きな点です。
病院全体から各診療科の状況までがすぐに分かり、その傾向をグラフにて月次・年次で見られるのが大変役立っています。
時間とコストがかからなくなったという事は、その分原価計算の精度を高めることに時間を費やせるようになったことで、計算のレベルが上がってきていると実感されています。
 今では、診療科別原価計算だけでなく、部門別原価計算にも取り組んでおり、コメディカル部門の収益やコストも管理するようになりました。 その結果、病院経営の一つの指標としての資料ができ、院長と各部門責任者とのヒアリングも経営という観点から行われ、各現場にコスト意識が浸透していると実感しています。


今後の展望

 福井赤十字病院はDPC対象病院であるため、DPCを使った収益分析も行っています。今後はDPCを使った収益分析ソフトと原価計算を組み合わせて、収益面・コスト面の両面から分析して、よりよい病院経営を行えるシステムを構築したいと考えています。
そのためにも疾病別の原価計算などより高度な計算を行い、原価計算後のアクションに繋がるしくみを考えています。


病院情報

医療機関名

福井赤十字病院

所在地

福井県福井市月見2丁目4番1号

病床数

616床

診療科

診療科:内科、ストレス心療科、神経内科、呼吸器科、消化器科、循環器科、小児科、外科、整形外科、形成外科、脳神経外科、呼吸器外科、心臓血管外科、皮膚科、腎臓・泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、歯科、歯科口腔外科

URL

http://www.fukui-med.jrc.or.jp/